特定技能1号の取得戦略
14分野対応・試験ルートと実習移行ルートを比較
特定技能1号は2019年に創設され、現在14の特定産業分野で受け入れが行われています(2024年現在:自動車運送業・鉄道・リネンサプライが新たに追加)。通算5年の在留期間上限があるため、長期就労を目指す場合は特定技能2号への移行戦略も含めて計画することが重要です。
対象者: 14の特定産業分野(介護・建設・農業・外食業等)で働きたい外国人、または技能実習2号を修了した外国人
最新法改正情報
自動車運送業・鉄道・リネンサプライの3分野が新たに追加され、特定技能1号の対象は計14分野となった。
2023年以降、特定技能2号の対象分野が建設・造船以外にも順次拡大されており、2号への移行機会が増えている。各分野の2号試験の実施状況は出入国在留管理庁のウェブサイトで最新情報を確認すること。
ケース別 審査ポイントと対策
ケース1:技能実習2号修了からの移行(最短ルート)
低リスク状況
農業分野で技能実習2号を修了 → 同分野で特定技能1号に移行
対策
技能試験・日本語試験が免除される最短ルート。必要な手続き:①修了証明書の取得(実習先から発行)、②在留資格変更許可申請(在留期限内に)、③職種・作業と特定技能分野の対応確認。注意:技能実習の分野と特定技能の分野が異なる場合は試験免除にならない。
ポイント: 在留期限の3ヶ月前には申請手続きを開始すること。申請中は「特定活動(申請中)」で在留できるが、期限超過は絶対に避けること。
ケース2:試験受験ルート(技能試験+日本語試験)
要注意状況
海外在住の外国人または技能実習修了者以外 → 技能評価試験と日本語試験を受けて特定技能取得
対策
①分野別の技能評価試験に合格(国内・海外で受験可)、②JLPT N4以上またはJFT-Basicに合格、③受入企業と雇用契約締結、④在留資格認定証明書交付申請(新規入国の場合)。試験スケジュールは分野によって年1〜4回と限られるため、早めに申し込むこと。
ポイント: 介護分野は追加で「介護日本語評価試験」の合格が必要。農業・漁業分野は派遣雇用も認められる(他の分野は直接雇用が原則)。
ケース3:通算在留期間が4年以上(特定技能2号への移行を検討)
高リスク状況
特定技能1号での通算在留が48ヶ月(4年)を超えた。残り12ヶ月しかない。
対策
特定技能2号(在留期間上限なし・家族帯同可)への移行を検討。2号対応分野:建設・造船・自動車整備・航空・宿泊・農業・漁業・飲食料品製造・外食業・素形材製造・産業機械製造・電気電子情報。移行要件:①2号の技能評価試験に合格、②受入企業での雇用継続。2号が対象外の分野では、更新をしながら期限内での帰国・転職を計画する必要がある。
ポイント: 通算5年を超えての在留更新は一切認められない。期限管理は行政書士に任せず、自分でもカレンダーで管理すること。
ケース4:受入企業にコンプライアンス問題がある
高リスク状況
受入企業が社会保険未加入、または過去5年以内に労働関係法令違反歴・非自発的離職者・行方不明者がいる
対策
特定技能では受入企業(特定技能所属機関)が適格性要件を満たすことが必須。以下のいずれかに該当する企業への申請は不許可になる可能性が高い:①社会保険・労働保険未加入、②過去5年以内の労働関係法令違反(懲役・罰金)、③非自発的離職者を発生させた(1年以内)、④行方不明の外国人労働者を発生させた。対策:転職先企業を変更するか、違反が改善・解消されていることの確認を取ること。
ポイント: 入社前に企業の特定技能所属機関としての適格性を確認すること。出入国在留管理庁の「特定技能所属機関検索」で登録状況を調べることができる。
よくある失敗と注意点
雇用期間が通算5年(60ヶ月)を超えると更新できない。複数の企業で働いた期間も合算される。
支援計画が策定・実施されていない場合、受入企業に行政指導が入り申請に影響する。登録支援機関の選定は早めに行うこと。
技能実習からの移行時、実習先と特定技能の産業分野が異なると試験免除が適用されない(例:農業実習 → 外食業は免除対象外)。
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